日韓軍事情報協定の署名式、韓国政府が土壇場で延期「なんという恥さらし」

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韓国政府が、29日午後に予定されていた日韓の軍事情報保護協定の署名式を、突如延期すると発表した。土壇場の「署名保留」の発表は式の約10分前で、韓国からは安堵する声と共に、「国際的な恥さらし」との指摘も相次いだ。

同協定は、韓国軍と自衛隊での軍事交換とその保全に関するルールを定めたもの。主に北朝鮮に関する情報交換を目的にするが、韓国では反日感情が根強いため、強い反発が起きていた。

この日、予定されていた署名式は午後4時。午前8時の時点では、韓国外交省は「署名は予定通り行う」と伝えていた。しかし、午前11時にイ・ヘチャン民主統合党代表が「韓国のすべての軍事情報を自衛隊に提供するという協定を、国民に知らせないまま推進した」と協定に強く反対。午後2時30分には与党セヌリ党のイ・ハング院内代表が金星煥(キム・ソンファン)外交通商相に電話をかけ、協定締結を保留するよう求めた。

これを受けて、韓国政府は午後3時10分、署名式の保留を決定。趙炳ジェ(チョ・ビョンジェ)外交通商省は緊急ブリーフィングを開き、「7月2日の国会開幕まで待ち、国会で協議した後に署名を行う」との見解を発表した。午後3時50分のことで、予定されていた署名式の10分前だった。

今後しばらくの間、韓国政府は日韓軍事協定をめぐる政界や世論の反応に注視するとみられる。韓国では、朝鮮の日本からの植民地解放を祝う「光復節」が8月15日に控えており、この周辺では反日感情が高まる。政府は光復節前に締結したい考えのようだが、日本に対する国民感情は敏感なため、狙い通りには進まない可能性も高い。

今回の締結延期について、韓国のインターネット上には、「延期か…とりあえず良かった」「韓国政府は国民を愚弄した」「日本政府との約束を破ったのは外交的な欠礼にあたる。李明博大統領はきちんと謝罪するように」「協定締結は、日本を再び軍事強大国にする危険性がある」などの意見が書き込まれた。

参照:毎日経済
参照:デイリーアン

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